"シンバイオシス"

シンバイオシス

「Singularity」
シンギュラリティ

人間が人間を管理し、
人間が機械を管理し。

機械で人間を管理する為に
創られたグリッドサンド(人工知能)が人間の能力を
超えてしまった2045年頃。

グリッドサンド(人工知能)が機械を生み出し、
機械自ら発達が可能になった。

爆発的なスピードで世の中が発展し、
人間が機械を必要としていたこれまでの
概念が覆された【新世界】が始まる

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・シンバイオシス

▼第2話▼


「そもそもだけど、この地域だって
もう結構危なくない?
だって赤外線で見たらオレらの存在、
バレちゃうし」

「シンペイ、お前、手汗が今すごいな」


スズキがサーモグラフィモードに
眼鏡を変化させたのか突っ込む。


「いや、そうやってさ、
人の体調とか勝手に見るの
人権侵害じゃね?」

「見えるものは仕方ないだろう」


こいつらは緊張感が足りないのか、
それともこの詰んだ状況を楽しんでいるのか、
それとも絶望的だからこそ、
ふざけているのか。


おそらくは・・・。
楽しんでいるのだろう。

じゃなきゃこんなミッションを
志願などしない。


「とりあえずは砂嵐が収まるのを
待つしかないんだろ?
明日また考えよう、今はどうしようもない」


俺は立ち上がった。
そして天井に頭をぶつけそうになる。

まったくこのシェルターは
狭いし暗いしどうしようもない。
挿絵


目の前のモニターには
オレンジ色の計器の光が俺をバカにしたように
チカチカと光っていた。


「もう今日は寝るしかないじゃん?」

「まあそれが賢明だな」


シンペイはガムとぺっと
吐き出してゴミ箱にジャストインさせた。

ガッツポーズするシンペイ。

俺は呆れながらモニターを見る。
オレンジ色の光がチカチカと光っている。
挿絵

オレンジ色?


「おい!!」


監視モニターで外を見てみる。


「人だ、人が倒れている」


シンペイもスズキもモニターに
かぶりつく。

外は砂漠地帯で気温は
極寒の氷点下だ。
こんな場所まで歩いてきたのか?


「グリッドサンドなんじゃないか?」
「分からない・・」


違う角度からのモニターで確認する。
金髪の髪の毛、白い肌。
が防護服から見てわかる。


「とりあえず助けるべきだ」
「いやいや、グリッドサンドかもしれないじゃん!」
「というかグリッドサンドだろ」


確かにこんな夜中に
普通の人間が砂漠を出歩くわけがない。
しかもこの砂嵐と極寒の気温だ。


「ドリスを飛ばそう」


ドリスとはドローンの超極小型で、
赤外線スコープが搭載されている。
AIは赤外線で見たら一発。

人間とは明らかに、体温が違う。


「ドリスだって?こんな砂嵐で?
そいつは無茶な話だね」


スズキがまた困ったフリをする。
ここ数日の癖だ。

こんな砂嵐から逃れる為だけの
シェルターに居たらフザけた事でも
していないと心が持たない。


「とりあえず、俺は助ける」


出口に向かい、防護服を着る。

「いやいや、やめとけって!」
「そうだよ無茶じゃん、殺されるって」

彼らの声を無視し、
俺はさっさと防護服を着る。

重い扉の1つめを開ける。
すぐさま閉めて、
そして2つめの扉を開ける。


砂嵐の悲鳴が聞こえる。
本当にここは
俺が知ってるトットリシティなのか?

防護服のイヤーモニターから
スズキの声が聞こえる。


「やめろ!!無茶だってコウキ!!」



つづく

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